睡眠障害sleep disorder
(1) 不眠症
不眠症は入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒や慢性的に質の低下した睡眠などの症状が特徴的です。夜間睡眠の減少は、日中の疲労や倦怠感などの機能障害をきたすことが少なくありません。治療法としては睡眠薬による治療が有名ですが、近年では非薬物療法も注目を集めております。睡眠習慣の見直しや、認知行動療法(Cognitive
behavior therapy for insomnia:
CBT-i)は特に効果的であり、睡眠薬を使わない不眠症の治療や睡眠薬の減量も可能です。患者さんのご希望に合わせた治療も可能となりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
(2) 過眠症
過眠症は夜間十分な睡眠を確保しているにも関わらず、日中に過剰な眠気が出現する疾患です。急激な眠気と覚醒を繰り返すナルコレプシーや、常時強い眠気が続く特発性過眠症などが知られています。未治療の過眠症を抱えることはその症状に伴って社会活動が著しく制限されるため、早期の診断と治療の開始が非常に重要となります。周りからは「なまけ」と見られがちですが、過眠症は治療によって劇的に改善が見られるため、少しでも気になる症状があればまずはお気軽に受診ください(現在、睡眠専門医が留学のため不在です。ベタナミンなどは処方できませんのであらかじめご了承ください)。
(2-1) 睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は上気道の狭窄あるいは閉塞に伴って生じる、睡眠時の無呼吸あるいは低下による睡眠障害です。睡眠の質が顕著に低下し、それに伴って日中の過眠、起床時の頭痛、精神症状さらには将来的な生活習慣病など多岐にわたった症状が出現します。肥満やいびきとの関連は広く知られており、これらと上記の症状が認められる場合は早期の検査(当院で施行できます)を要します。重症の場合CPAPと呼ばれる呼吸器を睡眠時に装着することで、症状の劇的な改善が見られることが少なくありません(当院で開始できます)。
(3) 概日リズム睡眠障害
概日リズム睡眠障害とは体内時計が作り出す睡眠・覚醒パターンと本人にとって望ましい社会スケジュールが一致しなくなる疾患です。現代ではコンビニエンスストアやインターネットの普及に伴う24時間型のライフスタイルの浸透に伴って、睡眠相の後退、つまり「夜は寝付けないけど、朝は起きられない」といった悩みが社会的に増加しています。この様な症状に対しては生活習慣の改善が最も大事ではありますが、それに加えて光療法やホルモンの周期に合わせた生活習慣、薬物療法を行うことで大幅なサポートを行うことが可能です。一度崩れた概日リズムを修正するのは患者さん一人では非常に困難なため、まずはお気軽にご相談ください。