以下では、医学的な正確さを保ちながら、直感的に理解しやすいレベルで、「Accelerated iTBS(600発×3回)」と「Prolonged iTBS(1800発)」の違いをわかりやすく整理しながら解説します。
TBSとは?
1回3分・600発で終わる短時間TMSプロトコル。従来の20〜40分のrTMSと同等の抗うつ効果があるとされる。
「脳の可塑性(変化しやすさ)」を高める刺激パターン
比較する2つのプロトコルの概要
①Accelerated iTBS(600発× 3回、休憩あり)
どんな治療?
600発(3分)を1日に3回
各回の間に30分の休憩
合計:600発× 3回= 1800発
所要時間:約1.5〜2時間
こちらの治療は、3分間のiTBS治療を行い、30分休憩してから再び3分の治療を行うという流れを1日に3回繰り返す方法で、いわば インターバルトレーニング型 のTMSといえます。短い刺激と休憩を交互に挟むことで、脳に少しずつ刺激を重ねていき、段階的に可塑性を高めていくことを狙ったプロトコルです。
②Prolonged iTBS(1800発× 1回、休憩なし)
どんな治療?
600発のiTBSを3倍量(1800発)まとめて一気に実施
治療時間は約9分
台湾の研究グループが開発したプロトコル
こちらの治療は、治療時間を短縮しながら必要な刺激量を確保するために、Prolonged iTBSでは休憩を挟まずに9分間で1800発の刺激を一気に与える方式が採用されています。これは、刺激を連続して加えることで脳の可塑性を途切れさせずに高めていくという考え方に基づいており、いわば連続集中型のTMSとして、短時間で集中的に治療効果を引き出すことを目指したプロトコルです。
2つのプロトコルの違いをわかりやすく比較
| Accelerated iTBS | Prolonged iTBS | |
| 刺激の与え方 | 600発を3回に分ける | 1800発を一気にまとめて行う |
| 休憩 | 30分休憩を2回挟む | 休憩なし |
| 1日の総刺激量 | 1800発 | 1800発 |
| 所要時間 | 約1.5〜2時間 | 約9分 |
| 脳への刺激の特徴 | 段階的に刺激を積み上げる | 連続的に刺激を与える |
| イメージ | インターバルトレーニング | 連続トレーニング |
| 受けられる方の負担 | 1回あたりの脳への負担(通常は感じられません)は少ないが来院時間は長い | 1回あたりの脳への負担(通常は感じられません)が多く来院時間は短い |
| 研究背景 | SAINTプロトコルは、この加速型TMSを応用している。 | piTBSはSAINTプロトコルの中の構成要素になっている。 |
どちらも短時間で治療効果を高めることを目指したTMSの進化版ですが、Accelerated iTBSは3分の刺激を30分ずつ休憩を挟んで3回に分けて行う方法であるのに対し、Prolonged iTBSは休憩を入れずに9分間で1800発をまとめて実施する方式です。刺激量そのものは同じでも、脳への刺激の与え方が異なるため、効果の現れ方や副作用の出やすさには人によって多少の違いが出る可能性はあります。
